電子メールとはなにかについて,簡単に説明します.
電子メールとは,インターネットなどのコンピュータネットワークを使ったメッセージ交換システムです.ECCS 以外の場所で,すでに使ったことがある人もいると思います.電子メールシステムにおいて,やりとりされる一通一通を指して,メッセージあるいはメールメッセージと呼びます.メッセージには,本文に加えて,宛先などの情報が含まれます.
メールアドレス
手紙を送るとき相手先の住所を書くように,電子メールを送るときも住所にあたるものを書く必要があります.この「住所」に相当するものをメールアドレスといいます.メールアドレスは一般に
hoge@fuga.com
のように,@(アットマーク)で二つの文字列を挟んだ形をしています.@の前の部分をローカルパート,後ろの部分をドメインといいます.
ドメインについては 16.6.1 ホスト名とドメイン名 の章で詳しく触れますが,ここでは単にメールを受信してくれるコンピュータの名前と思って構いません.ドメイン名に関する決まりごとについてはここでは割愛しますが,大学や企業などの団体がドメイン名を持つときは,普通ドメイン名にその団体の名前を含めます.たとえばドメインに u-tokyo.ac.jp という文字列があれば,そのメールアドレスが東京大学に関係していることが分かります.教育用計算機システムのメールアドレスのドメインは g.ecc.u-tokyo.ac.jp ( ECCS クラウドメール)または mail.ecc.u-tokyo.ac.jp ( ECCS 教職員メール・ ECCS 2012 以前のメール)です.
ローカルパートは通常,電子メールのアカウント名が入ります.ECCS クラウドメールにおいては,ローカルパートを各自で変更することができます.
また,当然ながら宛先の住所が一意に定まる必要があるため,メールアドレスは一意に定まるようになっています.インターネットに接続された二つのコンピュータが同時に同じドメインを持たないように,また一つのコンピュータに同じ名前のアカウントが二つ存在することがないように,ドメインとアカウントは設計されています.よって,ECCS クラウドメールでも,ローカルパートは他人のローカルパートと重複しない範囲でしか指定できないようになっています.
メールサーバ
メールサーバとは,メールの送受信のサービスを提供してくれるコンピュータのことです.メールサーバは送信メールサーバと受信メールサーバに分かれているのが普通で,ECCS クラウドメールの場合,受信メールサーバは imap.gmail.com (または pop.gmail.com ) ,送信メールサーバは smtp.gmail.com という名前のコンピュータです.
自分宛のメッセージが到着すると,まず自分のアドレスに対応するメールサーバにメッセージがたまります.それを自分の使っているコンピュータで読むためには,受信用メールサーバにアクセスして,読むことになります.さらにメッセージを送信するときには送信用メールサーバにアクセスしてメッセージを送信します.
メールクライアント
メールサーバにアクセスしてメッセージを送受信する作業を行うソフトウェアがメールクライアントです.通常はメールクライアントは送受信機能に加えてメッセージを読み書きするためのユーザインターフェースを備えます.メールクライアントのことを,メールソフトだとかメールアプリケーションだとか,メーラ,メールリーダなどともいいます.例えば,Mac OS X や Windows 10 には「メール」というソフトウェアが付属していますが,これもメールクライアントです.
メールサーバやメールクライアントに関するくわしいことは,11.9 電子メールが届く仕組み で扱います.